
一般に年を追うごとに筋力が低下していきます。
曲げ伸ばしが少ないと関節を動かす筋肉も硬くなり、動きにくくなることも・・・
多くの高齢者の方々は、膝が曲げにくいことがあるかと思います。膝が十分に曲がらないと股関節(こかんせつ)や、足首も動きにくくなります。
特に股関節(こかんせつ)は上半身の受け皿となっている骨盤(こつばん)にかかっている重さを分散してくれます。ところがここが固くなると、分散力が落ちてしまい骨盤(こつばん)がおじぎして腰の筋肉が引っ張られることで痛みが出ます。
股関節の硬さの目安は?
では股関節が固いと一口に言っても、どの程度から固いのでしょうか?やはり【180°開脚】が出来ないといけないのでしょうか?
まず床に座っていただいて、膝を曲げて両足の裏同士を合わせてみてください。

恥ずかしながら、私はこれが精一杯開いてるつもりです。。。
この時の膝の位置・・・床から何センチ上がっていますか?
一般的な平均値は20㎝ と言われていますので、それ以上は関節が固いといってもいいですね。

開脚できてませんね・・・
深層部の筋肉が動いていませんので大きな筋肉が代わりに動き、疲れてしまいます。
こうした硬さがタイトハムを生んでしまい、歩行時には4~5倍の負担を強いてしまいます。
テニスボールを使ったマッサージ
最近では「筋膜リリース」や「トリガーポイント」と言った言葉が多く聞かれますが、このテニスボールマッサージもこれに準じます。
やり方はいたって簡単ですが気を付けて欲しい点を先にお伝えします。
①体重をかけすぎない
コッている場所を押されると効きますよね!
その為に強く刺激してしまいがちですが、必要以上の刺激は逆効果になりますので【痛みのない心地よさ】にとどめてください。
②テニスボールは不安定です
患部に当てる時に身体が不安定な体制ではボールが転がってしまった際に違う所に体重が乗ってしまい、余計な痛みが生まれます。
特に神経に近い所は十分に注意して、慣れない方はもう少し柔らかい「カラーボール」や市販されている安定性のある道具を使ってみましょう。
③骨盤の横のところ「中殿筋」に当てていきます
この筋肉は股関節の硬さに関連する筋肉で、歩くときにも特に重要な働きをしてくれます。
また足腰を踏ん張るときにもここに力が入りますので、特に前かがみでいることが多い現代においては腰の痛い方はこの筋肉がコッています。
テニスボールの当て方
①床に膝を曲げて座ります(体育座りの様な感じです)
②ボールをお尻に後ろ斜め45°から当てます

③そのまま後ろ斜め45°の方向に身体を倒していきます。
④肘をついてボールにかかる圧を調整します。

⑤上下にゆすってほぐします。
痛い方は、無理をせずに乗せるだけにしましょう。
途中で身体を支えている肘が痛くなりますが、休憩しながらゆっくり行いましょう。
お尻も股関節も固い私がやってみた感想
私はおしり付近がとてもコッテいるので、さぞや痛いかな?と思いましたが、思いのほか痛くなく出来ました。
奥まで「よくほぐれた感」がありましたので、股関節が固い方・腰痛の方にも有効かと思います。
腰や仙腸関節に当てる方はテニスボール2個をガムテープなどで固定し、骨に当てない様に気を付けてけださい。