
肩こりや腰痛が出る原因は、普段は殆どやらないような事を行うと起こるイメージがありますが、本当は日常生活で必ず行っている前かがみの姿勢が原因なのです。
何気なく生活している中であまり気にしたことはないと思いますが、立っていても座っていても必ず前かがみになっているのが日本人です。
前かがみで手を前に出して、様々な作業をすることで生活が成り立っています。例えば台所でお皿を洗っている時の姿勢や食事をしている時の姿勢、オフィスでのパソコンなどのデスクワークもそうですね。起きている時間の殆どが前かがみの「猫背」で暮らしているのです。
更に子どもの猫背も1970年代には44%に対し、2010年には69,3%の増加傾向にあるのです。
肩こりの原因って、頭の重さが関係する
まず頭の重さって大体どのくらいかご存知ですか?大まかですが体重の1割くらいと思ってください。両腕もおおよそ1割あります。人間て重心高いですね~!
男性でしたら体重60Kgでは6Kg、2ℓのペットボトルを3本分ですね。女性でしたら体重40Kgの場合4Kgが頭の重さになります。
これを自分の胸に近い方から段々と腕を伸ばして遠ざけていくと腕や背中、首に力が入り筋肉が緊張して固くなりますよね。これが猫背になった時の頭を支えている筋肉の負担になります。
猫背で関わる筋肉の負担を表しますと、胸元で持つ4㎏の重さ

腕を伸ばして持つ4㎏の重さが猫背になった時の頭を支えている筋肉の負担になります。

あなたはどの猫背?4つのチェック方法
世界一受けたい授業でやっておりました早稲田大学の碓田拓磨先生によると、猫背姿勢には4つのタイプに分けられるそうです。
- せなか猫背
- くび猫背
- こし猫背
- おなか猫背
どれに当てはまるかチェックしてみよう!
①壁にかかと、お尻、後頭部を付けるように立ちます。

②自分の胸が見えるようにあごを引きます。

③どなたかパートナーに腰に手を入れて貰います。
あなたは次のどれに当てはまりましたか?
気を付けて頂きたい症状と、改善方法も掲載してありますので是非試してみましょう
せなか猫背
- 壁に頭と肩を付けると違和感がある。
- あごを引いたときに腰の反りが強い。
背中には自律神経が通っており、胃に繋がっています。
消化不良などから胃酸過多による胸やけや起こしやすく、肋間神経痛などにもご注意ください。
【タオルで簡単ストレッチ】
①バンザイして仰向けで寝て頂きます。

②丸めたバスタオルを背中の一番盛り上がっている所に置き、3~5分間そのままでいてください。

※息が苦しかったり、痛すぎる!と言う方は、最初は時間を短くしましょう。慣れたら時間を長くしていきます。
③起き上がる時は膝を立ててお尻を持ち上げて、タオルを抜いてから起き上がってください。

※10分以上は行わないでください。
タオルを抜かずに置きますと背中を痛めたりしますので、必ず抜いてから起きる様にして下さい。
タオルで簡単ストレッチは、初めはバスタオルを丸めた物で構いません。
座布団の上を背中で乗るのも良いでしょう。
初めからあまり固いのを背中に当ててしまいますと、かえって背中を痛めますのでご注意下さい。
ストレッチポールの応用ですが、背中が良く伸びる印象でした。
ただ枕を外すときにお尻を上げるのが少し大変なので、気を付けましょう。
くび猫背
- 壁に頭と肩をつけると違和感がある。
- あごを引いたとき腰が反り過ぎない。
中年以上で太り過ぎの方や、普段背中を丸めている方などは呼吸が浅くなり心臓に負担がかかる事で心不全のリスクが高まります。
【背中と首のストレッチ】
立っていても座っていてもできます。
①手を後ろで組み、肩甲骨を背中の方へ寄せるように腕を後ろへ伸ばしていきます。

②そのまま腰を反り過ぎない様に頭を後ろに倒していきます。

③肩甲骨を背中に寄せるようにしてみましょう。

④1日最低20回を小まめに行いましょう。
肩甲骨を寄せる体操は以前からやっていましたが、身体が固い分ちょっと痛い所までは引き寄せた方が良いようです。
ご年配の方ですと6番目の頸椎から前に倒れますので、息苦しさを感じたり口呼吸になり易く、口が乾いたり虫歯や歯周病が進みやすくなります。
こし猫背
- 壁に頭と肩をつけると違和感がある。
- 腰のすき間に手が入りにくい。
背骨と背骨の間にある椎間板が枝豆を潰すように後ろに飛び出て神経に触ると痛みで寝たきりになる事もあります。
【腹ばい反り起き体操】
①うつ伏せに寝て頂いて

②上半身だけ後ろに起こします。

③その状態で深呼吸を2回行ってください。
腰が反りにくくなっていますので無理せず行ってください。1日10回を目指しましょう。
腹ばい反り起き体操は、スフィンクスのポーズの様に上半身を起こしてください。
背中に張りを感じている人にも大変お勧めです。
私は腰痛持ちでも後屈で痛くならないので、かえって気持ちいいくらいですが、後ろに反って痛い方は無理をしないでください。普段から、後ろに反ると腰が痛い方は禁止です。
おなか猫背
- 壁に頭と肩を付けると違和感がある。
- 腰に手を入れると隙間がかなりある。
いわゆる出っ尻タイプで骨盤が寝てしまっています。
このタイプの方は背中やくび猫背も併発しやすくなるそうです。
【骨盤調整体操】
①下腹と骨盤に手を当てます。

②深呼吸をしながら膝を曲げずに骨盤を起こすイメージで下腹を前に突き出します。

③このとき首が前に来ないようにしてください。

骨盤調整体操は少し難しいかと思いますが、添えた手を使って骨盤を起こすように動かしてみるとイメージがわきやすいと思います。
下腹を前に出すことに意識が集中しますと深呼吸を忘れてしまいますので気を付けましょう。
猫背改善エクササイズを実際に試した効果
私の場合は首猫背でした。写真に撮るとよくわかりますが、頚が根元から前方に倒れて行っているのが分かります。
これを起こそうとするとおなか猫背になってしまうのです。枕が高く、腰が沈んでしまうので、最近では枕を使わずに寝ています。(マットレスは交換しようか検討中です)
背中と首のストレッチは似たような肩甲骨ストレッチはよくやっておりましたが、首と背中を同時にやると、よりほぐれ感が出て気持ちいいです。
骨盤調整体操は反り腰の方に有効なので、それ以外の方は必要ないかと思います。実際やって見たら結構難しいので、慣れも必要かも?
いずれにしても終わった後は、背中が温かく感じてスッキリした感じがします。