毎年暑くなると熱中症に対しては注意されている方が多いですが、まだまだ救急車で搬送されるかたがあとをたちません。その理由は脱水症状にあります。身体がどうも『だるい』と感じている時は脱水状態にあるかもしれません。

今回はちょっと気を付けて欲しい脱水症状についてお話しします。

脱水症の目安は3段階

身体の60%は水分で占められていますが、そこから水と塩分が失われていくと脱水状態になります。

熱中症との違いは程度の違いになりますので、重度の脱水症状を越えますと熱中症と判断されます。そのためにその前段階で起こっている症状に特に注意をして頂かなくてはいけません。

軽度の脱水症

症状として『めまい・立ちくらみ・のどの渇き』を感じている。

この状態は体重50kgの人で1.5kg~2.5kgの体液(3~5%)が失われています。

足がつる方は注意が必要です。水分や電解質が不足している方は足がつりやすくなります。日ごろの運動不足からもつりやすくなりますので、日ごろの生活も大事になります。

中等度の脱水症

症状として『頭痛・悪心・嘔吐』が出ている。

この状態は体重50kgの人で3.0kg4.5kgの体液(6~9%)が失われています。

重度の脱水症

症状として『意識障害・けいれん』が出ている。

この状態は体重50kgの人で5.0kg以上の体液(10%以上)が失われています。

まれな例として『原因不明の発熱』『体重が急に減った』場合も脱水状態の場合がありますので、小さいお子さんはもとより、身体の変化に気を付けてください。

汗をかくと体温が下がる

汗は外気温が高くなると、体温を下げて平熱を保とうとしています。この体温調節機能を保つ様に普段から運動するなど、汗をかけるようにしておくことが大切です。もちろん気温30℃といった危険な外気温では、日陰や涼しい所への避難は必要ですが、普段からエアコン生活に慣れてしまうと代謝が下がってしまうので、熱い所では一気に汗が噴き出して急激に脱水してしまったり、汗をかかない方などは体温調節が効きにくくなり、返って熱中症にかかりやすくなります。

 

 

夏場の二日酔いや夏バテの方は脱水状態

アルコールは体の水分を体外へ出そうとする働きがあります。以前電車通勤をしていた頃、サラリーマン4人組の一人が吊革に捕まっていたところ急に倒れました。
倒れる前には昨夜はこの4人で飲んで遅くに帰った話をしていましたので、恐らく脱水状態に陥っていたようで、同僚に助けられて事なきを得ました。

家の中でも安心はできません

熱中症による救急搬送では家の中で起こっているケースがかなりの割合であります。その理由は

  • 『家の中は日陰』だから涼しいはずと思い込んでいる。
  • エアコンや扇風機の風が苦手と言ってかけない方。
  • コーヒーやお茶といったカフェインを多くとっている方。
  • 食事量が少ない方

こういった方が意外と気づかない間に脱水していることがあります。確かに家の中は直射日光が当たらないものの、どんなに風通しを良くしても

 

 

水分補給はどのくらい必要なのか?

身体から出ていく水分と、入っていく水分のバランスが大切です。涼しい所にいるとのどの渇きを感じにくくなりますので、2時間おきに水分補給を心掛けましょう。

例えばお酒を飲んだ時は血液にアルコールが混ざります。そうすると体内の水分が多いと感じてしまうので、どんどん水分が排泄されてしまいます。
そのため体内の水分が不足し脱水状態になります。

身体から出ていく水分・・・尿・便・汗・不感蒸泄

身体に入る水分・・・代謝水・食べ物の水分・飲料水

食事から水分は、およそ6割の水分が摂取できます。
例えばご飯はお米と同量の水で炊きますし、お味噌汁はもちろん野菜も水分を多く含んだ食材になっています。特に夏野菜は身体を冷やす効果がありますので、3食しっかりとっておくと良いですね。

 

経口補水液とは?

ドラッグストアで【経口補水液OS-1】をよく見かけると思いますが、

経口補水液とは消費者庁より『個別評価型病者用食品』とされており特定疾病について効果が医学的・栄養学的に根拠があると認められています。

ただこれっていつ飲んだらいいのか迷いませんか?

もともと途上国で、コレラなどの感染症被害が多い中、清潔な点滴針と子供の細い血管に刺せる人材が不足していました。そこで中等度までの状態で、自力で飲める患者さんには経口補水液を飲んでもらう療法がおこなわれたのが始まりですので、普段の生活において脱水状態の予防飲まない様にしてください。

飲み頃は『軽度~中等度の脱水状態』で飲まれるのが良いとされています。

美味しく感じる時は危ない時です

経口補水液は実際に脱水症状が出ている方が飲まれたら美味しかったとの事です。めまいや立ちくらみといった症状は貧血などでも見られますが、気温が高い、蒸し暑いといった環境で『このような症状が出ているかな?』と感じたら、一口飲んでみて美味しかったらゆっくり少しずつ飲んでみましょう。しょっぱかったり美味しく無い時は勿体なくても飲み干さずに、お水を飲むようにしてください。
出来れば冷蔵庫に1本だけ常備しておくと良いのですが、ましょう。もったいなく感じるようでしたらアルミパックで出来ているタイプを備えておくと無駄になりにくくてよいと思います。

 

 

勘違いしやすい『飲む点滴』

スポーツドリンクや甘酒は飲む点滴と言われていますが、OS-1とは根本的に違いがあります。

スポーツドリンクや甘酒は糖質が多く、OS-1は塩分が多いので、どちらも日常生活の水分補給代わりにはなりません。

スポーツドリンクは運動後に不足している身体を動かすエネルギー(糖質)と水分、疲労回復をさせる塩分を素早く補給するために必要な成分が入っています。

甘酒はビタミンB群やアミノ酸、ミネラルも入っていて万能飲料とも言えますが、スポーツドリンク同様に糖分が多いので1回あたり50~120ml程度を目安に1日200mlを限度にしておきましょう。

厚生労働省によると熱中症予防に必要なナトリウム量は100mlあたり40~80mgとされていて

  • OS-1がおよそ50mEq/L
  • スポーツドリンクがおよそ9~23mEq/L
  • 甘酒は50mEq/L

となっていますので、水分と電解質(ナトリウム)を早く吸収させたい脱水状態では、塩分濃度の高いOS-1の方が効果的です。
甘酒もナトリウム量は同様ですが糖分も多いので、脱水状態の時や血圧血糖値の高い方には不向きになります。

 

 

塩分控えめの落とし穴

熱中症や脱水症状の方は水分だけでなく塩分不足によって引き起こります。よく紺や黒いTシャツを着て汗をかくと、白い粉状の結晶が浮かんできますが、これが塩分です。
塩分は水やカリウムともに細胞を構成している物質の一つですが、これらは一つでも多くても少なくてもバランスが崩れます。
塩分は日ごろから取りすぎになりやすい事から『控えめ』と言われますが、塩分は疲労の回復に役立ちますので、こういった時に多く摂取できる様に、
日ごろから『控え目』もそうですが運動で身体を動かすことを心がけておきましょう。汗をかいて体温をコントロール出来る様になりますと、熱中症の予防につながります。

これから湿気が少なくなり涼しく感じるようになりますと、これまで感じなかった疲れが出やすくなります。
気づかないうちに脱水状態になっていることが今後増えていきますので、糖分や塩分を上手に活用して健康維持に努めていきましょう。