
これまで、様々な症例に出会うことが有りました。病院との医療連携させて頂いていますので、よりそう感じるのかと思います。
その中でも”腰”に痛みを抱えている方がダントツに多かったような気がします。
やはり多いのは65歳以上のご年配の方々。
腰の症例に関して言えば、特に変わった症例はありませんが、脊柱管狭窄症や腰部における椎間板ヘルニア。
またそこまで至らなくても、仙腸関節付近での痛みや腸腰筋の痛み、あるいは
「腰は痛くないんだけど、お尻から脚にかけて痺れるんだよ」
と、このようにお悩みの方々がいらっしゃいました。このような症状の原因は大まかに言うと生活習慣から来ております。
日頃の疲れ→座って休む→姿勢が崩れる→そのまま筋肉が固まる
↓
筋肉が固まったまま歩いてしまう→腰に負担がかかる
↓
腰を支えている筋肉が痛くなる→また疲れてしまう
このように良くないルーティンになっている方が多いのが現実です。
座ってるのと、立っているのはどちらが腰に良いの??
長時間立っていた場合は、やはり座ったり寝たりして、腰を休めて頂きたいです。
二足歩行の人類にとっては、動かないといけない理由があるのです。逆に言いますと長時間同じ姿勢でいることが向いていないんです。
しかしここで気を付けて欲しいことが有ります。
座りっぱなしも良くない
長時間座ったままでいることです。
同じ姿勢が長く続くと姿勢が猫背になっているからです。ソファや床、自分の脚が床につかない、座高の高い椅子などは特になりやすいです。
足が地に付いていても浅く座っていませんか?
もしそばにどなたかいましたら、携帯電話のカメラ機能などで、座っている姿勢を横から撮影してもらって下さい。
割と猫背の方多いですよ。
同じ姿勢でいることで、疲れないように片側に体重をかけて回避行動をとります。
つまり”身体が捻じれている”ということです。
身体の安定性が無いと腰痛になりやすい?
猿やゴリラなどは腰の骨が7つあると言われており、手にあたる部分も歩行に使うことにより四足歩行で腰の負担を軽減することができます。その代わり長時間二足で立っていられないのです。
人類は腰の骨が5つしかない理由は、二足で立って歩くために腰を直立させる必要があるからです。
しかしこれでは四足と違い、腰の安定性がありません。
バランスが取れないですよね?
安定感を出すために体を鍛えておく必要があります。
立っていても座っていても同じ姿勢でいると、片側に体重をかけてしまう。お尻の筋肉に体重を乗せてますね?
荷重をかけることで、そこを軸にして安定性を出します。
腰に負担がかかってしまうということです。
〜前かがみも生活習慣の姿勢〜
前かがみでいろいろなことをやっていませんか?
手を前に出して前かがみでいる姿勢は、台所仕事やオフィスでのデスクワーク。
ソファでくつろぐ体勢もそうです。浅く腰を掛けて背もたれに寄り掛かって居ませんか?身体が「く」の字になっていませんか?
これも前かがみと同じ姿勢です。
〜立っている状態では?〜
斜め前下方向に荷重ががかかります。
その方向に頭が落ちないように背筋を使い、頭を後ろに引き下げているのです。
昔から「足腰を鍛えて」とか「足腰を入れて」と言う言葉があるかと思いますが、太ももや臀部(厳密に言うと腹筋も入ります)の筋肉を指します。ここに力を入れて体幹を支えているのです。
この筋肉群が弱ると腰に負担がかかる結果になります。
〜座っている体制では?〜
腸骨筋という骨盤から内ももについている体幹を支える筋肉が引っ張られて、体重をかけている状態になります。いずれにしても腰の筋肉が休まらないですね。
今回のテーマである生活習慣とは何気ない日常生活が実は…という事なのです。
何気ない姿勢から起きるケガも、ウォーキングやスポーツなどで、リスクを回避することが出来ます。
〜運動不足は内臓にも影響する〜
「生活習慣病」の名付け親は、先ごろ亡くなられた聖路加国際病院の先生でした。
何気なく過ごされている中で、食事の仕方や偏り、運動不足、睡眠不足によって起こる動脈硬化症。これが高血圧となり、様々な病気へと発展します。
この高血圧で血液循環が悪くなり、筋肉への栄養と不要物の交換が滞り、中々痛みが沈まない原因となり易いのです。
また不整脈や心疾患をお持ちの方の中には、左肩に凝ったような痛みを感じたりします。
〜身体を鍛えるブームに乗れば乗る程良いことが!!〜
少し前からですが、30代40代で男女ともに身体を鍛えるブームがあります。
女性ではホットヨガなどのデトックス効果を含めた運動。男性は結果にコミットしたり、芸能人などから火が付いたのか
体幹トレーニングが流行っているようです。
運動不足の状態での筋肉の使い方は、同じ姿勢でいることで、筋肉に緊張を強いていることです。
一方運動は筋肉に伸縮を与えていく事です。
実はこの二つ、どちらも筋肉を痛めつけているのは同じです。
かたや不健康まっしぐらへ、もう片方は健康へ
なぜ筋肉を硬くして使うかと言うと、持ってる筋力では長時間支えきれないからです。
筋肉が硬く動きにくい状態なのに、必要以上に動かすと筋肉が痛んでいきます。
いきなり「よしやるぞ!」と始めた結果、筋肉痛になり続かない…
〜まずは身体を慣らしてみましょう〜
筋力を上げるために、筋トレなどをいきなり初めても筋力を上げることはできません。
固い筋肉を伸ばそうとすれば、筋肉繊維が切れてしまいます。体操をして、身体を動きやすくならしてみましょう。
運動は筋肉に負荷をわざとかけて伸縮させます。
つまり脳に「ムリしてまっせ!」と教えているのです。
体操によって、硬くなっていく筋肉に対して常温での柔軟性を得ることで使っても痛めにくい身体になっていきます。まずは日常生活に体操を入れてみてください。理想としては朝昼晩の3回やるといいですね。
身体を鍛えている方は、大概こんなことを言っています。
「余裕が出てきます」
これ何のことかわかりますか?
一方で運動不足の方は大概こういいます。
「やりたいんだけど時間がないんだよね」
この違い分かりますか?
「時間という余裕」を作れるということなんです。
前者は、時間が有ったら「運動します」
後者は、時間が有ったら「やすみます」
つまり運動することを生活習慣としているか、休むことを生活習慣としているかの違いなんです。
では、運動している方ってそんなにしているの?
となりますよね?
その最初の大変さは、やり方が分からないからなんです。もちろんいきなり始めますので初期の筋肉痛はありますけど、1週間もすれば痛みは消えますし、要領を覚えてしまえば向上心からどんどん行けます。
~たるんだお腹は見せたくない~
最初のたるんだお腹を見られるのは、恥ずかしいというのが本音ですよね?
実はゴ〇ルドジムなどのマッチョ系のジムでは、一緒に目指そうよの要素が強く、むしろウェルカムだそうです。
身体に変化が起こるとそこからが楽しくなり、「趣味、身体づくり」となってくるようですよ。
そうなると仕事を効率よく終わせて、身体作りの時間を作る様になるよです。以前は時間が…と言っていたのに、思考が変わり、身体を使った趣味が広がり、どんどんいい生活習慣になっていくようです。
~本当の生活習慣とは~
自分がいかにして過ごすかで、変わっていくことができるのです。
立ちっぱなしやデスクワークでの長時間同じ姿勢でいる事で、その体制を維持するための筋肉が硬くなります。その硬くなった筋肉により、周辺の筋肉の動きが悪くなり疲労がたまります。
この段階で一念発起し張り切って運動される方が、大概ケガや激しい筋肉痛になり、続かなくなるようです。
~体操も忘れてしまいそうな方に~
そこでまず朝起きたら、背伸びをしましょう。
筋肉が目覚め動きやすくなります。
通勤時の歩きで歩幅を大きくとり、ゆっくり歩きましょう。
歩幅が普段の倍なら歩くスピードが半分に落ちても到着時間は一緒です。
この2つだけでも腰痛対策になります。
トイレに行くときに屈伸運動
エアコンのかかったオフィスの脚元はかなり冷えてます。
ふくらはぎの血の巡りを良くするだけで脚の動きが変わります。
これに慣れたらウォーキングをしてみましょう。
と言っても往復10分で構いません。条件は足を上げて歩くだけ。
これを休みの日の朝昼晩だけやってみましょう。
食後直ぐに行うと血糖値が落ちやすくなります。
こういうのだけでも生活習慣になったら大分違います。足を後ろに蹴る動作や、アキレス腱伸ばしの動作で腰の筋肉が緩みますし、横むきで寝そべり片脚をゆっくり上げ下げするだけでも股関節が緩みます。
更に
トレーニングに入ってみるのもいいかと思います。
そしてトレーニングした後は、必ず常温で柔らかさをキープしてもらうために、適度な整理体操とマッサージなどアフターケアも忘れないでください。
よりよい生活習慣で健康になりましょう。